細孔(毛細管)において、バルクよりも低圧から凝縮が始まることを毛管凝縮という。これは吸着剤レベルの小さな孔径においでも成立し、孔径が小さいほどより低圧から始まる。この傾向はミクロ孔(孔径2nm未満)にまで当てはまるが、孔径が小さくなるほど流体分子がバルクらしさを失う。一般にメソ孔(孔径2~50nm)までの充填しやすい傾向を毛管凝縮として理解し、それ以下のミクロ孔での現象は特別にミクロ孔充填と呼ぶ。
ミクロ孔充填 [編集]
固体が原子サイズレベルの細孔を持つ場合、細孔壁が及ぼす相互作用ポテンシャルが重なり合い、深いポテンシャル場を形成する。この場合は物理吸着であっても、表面に吸着した分子は著しく安定化される。たとえば、0.5nm程度離れた2枚のグラファイトのシート(グラフェンシート)に挟まれた平板状空間は、窒素分子に対して弱い水素結合程度の安定化エネルギーをもたらす。この安定化効果のために、分子がミクロ孔中へと凝集・充填されることになる。
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このようなミクロ孔への吸着は、表面に吸着すると考えるよりも、孔内の空間に充填されるという描象の方が適切である。したがって、ミクロ孔への吸着はミクロ孔充填(マイクロポアフィリング・ミクロポアフィリング、micropore filling)と呼ばれている。これは、吸着科学の主な研究テーマとなっており、近年、天然ガスおよび水素の大量貯蔵の目的へ向けた応用研究が盛んである。水素についての現在の課題は、水素吸貯合金や、水素輸送媒体としてのジメチルエーテルより貯蔵できるエネルギー密度が小さい点である。
また、近年では、メソ孔の下限域のナノ細孔(孔径2~10nm程度)への物理吸着は、気体から液体への相転移と捉えられている。